About Us


伊藤(久)研究室について

伊藤(久)研究室は,2019年度に学部の体制が変更されたことにともない,旧ヒューマンインタフェース学講座(HI研)から独立するかたちで発足した,コンピュータ工学コースの研究室です。同じくHI研から独立したプリマ研究室(人工知能コース)とは,現在も協力しながら活動しています。

映像や音声などのメディア情報処理の技術・ヒトの認知と知覚に関する知見・ものづくりの実践にもとづき,新しいコンピュータの入出力手法の開発を通して,ヒトとコンピュータの関係をよりよくすることを目標としています。

Research Projects


研究テーマ

「歩いて移動するVR」をより手軽に

VRにおいて歩行動作を移動の入力とするための手段にはトレッドミルがありますが,安全に使用するために大きさや重さの上で設置に制約が生じます。そこで,回転する椅子に座ってセンサーを装着した足を動かす擬似的な歩行動作を移動の操作にするためのシステムを開発しています。これにより,より多様な環境で「歩いて移動するVR」を実現することを目指しています。

現実空間の中に等身大のアバターを表示する

透過スクリーンへ映像を投影する手法は,その映像を見る人に現実空間に大きな物体が存在しているかのような感覚を与えます。体験者の視点に合わせてリアルタイムにスクリーンへ投影する映像を調整する技術によって実在感を高め,さらに投影方法を改善して間近に物体が存在するかのような映像を見られるようになることを目指します。

「持ち運べるドームVR」の開発

広い視野を提示映像で覆うイマーシブなバーチャルリアリティ(VR)は,利用者以外の人が体験の様子を見ることができる利点があります。設置・撤収・運搬のしやすさを想定し,パネルを連結して組み立てるジオデシックドーム型のスクリーンを用い,利用者の視点から映像を歪みなく見えるようにするための補正手法と組み合わせ,「持ち運べるドームVR」を実現します。

一目で全方位を見渡す

全天球カメラなどの機器の普及により,一度に見渡せない範囲の映像を容易に得られるようになっています。このような映像から,正面から背面までの周囲をアスペクト比16:9の画面で一覧できるようにするための変形加工の方法を開発・評価します。この方法を用いることで,側方や後方の視界を個別の映像で提示する手法とは異なり,どの方位も死角がなく連続的に見えるようになります。

視界を開けながら操作できるインタフェースの開発

HMD VRでは,メニューが視野の前に表示されることで,その奥にあるものの動きや変化に注意を向けにくくなることがあります。そこで,視野角の広さを活かして注視点から離れた周辺視野にメニュー項目を表示することで,視野を妨げずにメニュー項目を確認したり選択できるような手法を提案します。

顔映像を使わずに円滑な対話を実現する

オンライン会議などの遠隔コミュニケーションでは,参加者が顔映像を送信できない状況もあります。このような場面でも円滑に対話を行えるように,話者のうなずきをフレームの動きにより表現するUIを提案します。うなずき動作は聞き手の首の動きをジャイロセンサにより認識し連動する方法と話者音声の途切れに合わせて発生させる方法を比較し,話しやすさなどを評価します。

かわいいキャラクターを介した対話を実現する

遠隔コミュニケーションでは,相手に見せる姿にアバターを用いることがあります。画面上に表示される映像としてのアバターとは異なり,遠隔操作が可能な実体を持つパペットをアバターとして利用する手法を開発しています。本手法では,ユーザの姿や動作をかわいいパペットへと置き換えることで、対話をより和やかにすることを目指しています。

存在感を感じられる共同学習の場をつくる

オンライン自習室は,参加者がそれぞれの作業を個別に行う際に存在感を伝えることで集中しやすくする効果を狙ったものです。この効果を得るために,存在の情報を必要最小限の表現だけで伝達するシステムを開発しています。自分の気分を表明する機能と他者を応援する機能に操作を限定することで,過度に気を削ぐことなく相互の存在感を伝達できるようになることを目指します。

没入感を高める映像提示を探る

視野角が広い映像は没入感が高まることがわかっています。また,視聴者の視点に合わせて提示する映像を適切に変化させることでも没入感は向上します。これらの要因を組み合わせ,視点(頭部)の位置に合わせた映像提示は視野角の変化に応じて没入感へ与える影響がどのように変化するのかを検証します。これにより,VRにおける効率の良い映像提示の目安を得られます。

視野を現実に近づけたシミュレータの開発

ドローンの運用には法的制約があり,特に飛行できる場所には限りがあります。そこで,シミュレータにより実機を操縦する機会を補い,練習量を増やすことが有効と考えられます。表示に視野角の広い大画面スクリーンを用いた場合,練習の効果をどのように向上させることができるかを検証します。

Other Works


共同研究・教育などの取り組み

鶏卵の表面検査

画像処理技術を応用し,鶏卵の表面にある凹凸や汚れを検査するための機構の開発を行いました。

水中における動作の分析

ステレオカメラを利用した水中での3次元身体姿勢の動作を分析するシステムの開発を行いました。

講義支援用Webアプリ

学生が授業中にスマートフォンから匿名で投票に参加したり,自由にコメントを投稿できるシステムを開発し,講義で活用しています。

Contact


〒020-0693 岩手県滝沢市巣子152-52
岩手県立大学ソフトウェア情報学部
伊藤 久祥(ひさよし)
hito@iwate-pu.ac.jp